長崎県には江戸時代から残る「卓袱(しっぽく)料理」というものがあり、その人気メニューのひとつをアレンジして作られたのが「角煮まんじゅう」です。本記事では、「角煮まんじゅう」の特徴や、その元になった「東坡肉(トンポーロー)」と「東坡煮(豚の角煮)」の違いについて紹介します。
長崎名物「角煮まんじゅう」の特徴
「角煮まんじゅう」は、中華風蒸しまんじゅうに、豚の角煮を挟んだ長崎の名物料理です。ふわふわの生地の中華風蒸しまんじゅうはほのかに甘味があり、トロトロに煮込んだ豚の角煮はジューシーで、口に含むとホロホロと崩れるほど柔らかいという特徴があります。
長崎名物の「角煮まんじゅう」は、醤油の風味と豚肉本来の旨味と甘味が合わさった角煮を、ふわふわでもっちりとした中華風蒸しまんじゅうが包み込んだ絶品グルメです。
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「角煮まんじゅう」に使用される豚の角煮は別名「東坡煮」と呼ばれ、この料理は中華料理の「東坡肉(トンポーロー)」を日本人好みの味に発展させたものです。この料理は、長崎の伝統的な宴会料理である「卓袱(しっぽく)料理」の人気メニューのひとつでした。
長崎は鎖国が行われていた江戸時代でも、中国やポルトガル、オランダとの貿易が許されていた港町でした。卓袱料理は、もともとは唐人屋敷に住んでいた中国人が、日本人や西洋人に振る舞うために作ったコース料理です。それが一般家庭に伝わり、現在では、料亭で振る舞われるご馳走へと変化していきます。
卓袱料理の特徴は、一人分の料理が一つのお膳にまとまった伝統的な和食とは違い、大皿に盛った料理を円卓に置いて大人数で食べるというスタイルです。
「東坡肉(トンポーロー)」と「東坡煮(豚の角煮)」の違いとは?
長崎名物の「角煮まんじゅう」に使用される「東坡煮(豚の角煮)」と、その元になった中華料理の「東坡肉(トンポーロー)」は味付けが違いますが、それ以外にも使用する豚肉が異なります。
「東坡肉(トンポーロー)」は、皮付きの豚バラ肉を使用します。一方、一般的な豚の角煮は、皮が無い豚バラ肉を使うのが主流です。そもそも皮付きの豚肉がスーパーで売っていること自体があまりありません。
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「東坡肉(トンポーロー)」と豚の角煮は、どちらもお湯で茹でる「脂抜き」と呼ばれる下処理を行います。豚の角煮は、切ってから茹でることが多いですが、本格的な「東坡肉(トンポーロー)」は、皮付きの豚バラ肉をかたまりのまま茹でます。
長崎名物「角煮まんじゅう」
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