高菜と野沢菜は、漬物に使用する葉物野菜の代表格ですが、皆さんはこれらの野菜の違いをご存じでしょうか。また、和歌山県・三重県・奈良県には、浅漬けした野菜の葉っぱでご飯を包んだ「めはりずし(めはり寿司)」という郷土料理がありますが、この料理は何の葉っぱを使用しているのでしょうか。本記事では、高菜・野沢菜・青菜の違いと、めはりずしの特徴について紹介します。
高菜・野沢菜・青菜の違い
高菜(タカナ)
高菜は、アブラナ科アブラナ属(カラシナの変種)に分類される一年草で、中央アジアを原産地とする、いわゆる中国野菜の1つです。高菜は冬に旬の時期を迎え、草丈は20~60cm程度まで成長します。
高菜は日本の様々な地域で栽培されていますが、高菜は平安時代に中国から九州に伝わったため、特に九州各地で高菜の栽培が盛んに行われています。
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野沢菜(ノザワナ)
野沢菜は、アブラナ科アブラナ属に分類される二年草です。植物は一年草や多年草が多い中、二年草の野沢菜は非常に珍しい野菜です。野沢菜は、秋に旬の時期を迎え、草丈は50~60cm程度まで成長します。
高菜は一年間で枯れる一年草、野沢菜は二年間で枯れる二年草という違いの他に、それぞれの原産地も異なります。
野沢菜の原産地は長野県野沢温泉村で、もともとは大阪市天王寺付近が発祥の「天王寺かぶ」が突然変異したものです。ですから、本来は野沢菜もカブのように根が膨らむはずだったのですが、標高の高い野沢温泉村で育てた結果、野沢菜は根が育たずに葉や茎ばかり大きくなったのです。高菜と野沢菜はどちらもアブラナ科の植物ですが、野沢菜はカブが突然変異したものという違いがあります。
青菜(アオナ)
青菜(アオナ)とは、緑色の葉野菜の総称です。ですから、高菜と野沢菜の他にも、ほうれん草や小松菜など、全ての緑色の葉野菜を青菜(アオナ)と呼びます。それとは別に山形県では、高菜のことを「青菜(セイサイ)」と呼ぶ地域もあります。
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「めはりずし(めはり寿司)」は何の葉っぱを使う?
和歌山県と三重県にまたがる熊野地方や、奈良県の吉野地方では、「めはりずし(めはり寿司)」という郷土料理があります。
めはりずしは、浅漬けした高菜の葉っぱでご飯を包んだおにぎりです。古くは麦飯を高菜で包んでいましたが、現在は白米を使うことが多いです。または酢飯を使うこともあります。
めはりずしは、高菜の葉っぱの軸の部分を細かく刻んでご飯の中に詰め、高菜の葉っぱの部分でご飯を包みます。ご飯の中に入れる具材は、高菜漬けの軸の他に、鰹節、じゃこ、胡麻などを入れたアレンジ料理もあります。
もともと高菜は中国から九州に伝わったものなので、九州各地で高菜の栽培が盛んです。そのため、和歌山県、三重県、奈良県の他に、九州地方でも高菜漬けの葉っぱでご飯を包んだおにぎりを食べることがあります。
鹿児島県産 高菜漬け(200gX3袋)
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