長崎県長崎市で生まれたご当地グルメ「長崎ちゃんぽん」、滋賀県彦根市で生まれたご当地グルメ「近江ちゃんぽん」、これらは味付けや具材などに違いがあり、それぞれ独自の料理として成立しています。本記事では、長崎ちゃんぽんと近江ちゃんぽんの違いについて紹介します。
長崎ちゃんぽんと近江ちゃんぽんの違い
長崎ちゃんぽんの特徴
日本各地に「ちゃんぽん」と名の付く料理はいくつかありますが、長崎ちゃんぽんが全ての始まりです。長崎ちゃんぽんは、長崎県長崎市に現存する1899年(明治32年)創業の中華料理店「四海樓」の初代店主によって生み出された料理です。
この四海樓で生まれた『支那饂飩(しなうどん)』がその名も『ちゃんぽん』と変わり、長崎で最も親しまれる大衆料理へと発展し、『ちゃんぽん』はいまや日本の代表的な食べ物の列に加えられるまでになっている。(引用元:中華料理四海樓 四海樓の沿革)
「支那饂飩(しなうどん)」の「支那(しな)」とは中国を意味する言葉で、長崎ちゃんぽんの考案者も中国の福建省福州出身の料理人です。この料理は、当時中国から長崎に渡航してくる留学生のために、安くて食べ応えのある食べ物を提供したいと考えて作られたものなので、ボリュームがあって栄養満点の料理になっています。
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長崎ちゃんぽんには、鶏ガラや豚骨スープを使用し、麺は16番(1.875mm)~18番(1.7mm)程度の太麺を使います。製麺の際には、「唐あく」という長崎特有のかん水が使われており、モチモチ食感で独特の風味があるのが特徴です。この麺の製法は近江ちゃんぽんとは違います。
長崎ちゃんぽんの具材は、豚肉、野菜(ネギ、キャベツ、もやしなど)、かまぼこやイカ、エビなどの魚介類をラードで炒めて、麺の上に盛り付けます。
近江ちゃんぽんの特徴
近江ちゃんぽんは、滋賀県彦根市にある1963年(昭和38年)創業の食堂「麺類をかべ」の店主が、長崎ちゃんぽんに触発されて作った独自の料理です。
長崎ちゃんぽんは、食べ盛りの中国人留学生のために考案された料理でしたが、近江ちゃんぽんは日本人の味覚に合わせた料理という違いがあります。そのため、近江ちゃんぽんのスープは、昆布や鰹節で作った和風だしになっています。麺は中太(1.4mm程度)の中華麺を使用します。
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具材は豚肉や野菜(キャベツ、もやし、ニンジン、キクラゲなど)を使いますが、魚介類は使用しません。長崎ちゃんぽんでは、具材の野菜をラードで炒めますが、近江ちゃんぽんでは、野菜を煮込むという違いがあります。
地元民は、途中でスープにお酢を加えて味の変化を楽しむのが定番の食べ方になっています。(参考資料:近江ちゃんぽん協会 近江ちゃんぽんとは)
【四海楼】ちゃんぽん(5食)
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