鹿児島県に古くから伝わる「かるかん(軽羹)」と呼ばれるご当地スイーツをご存知でしょうか。かるかんは、純白の見た目と、もっちりとした食感が特徴ですが、いったい何でできてるのでしょうか。本記事では、かるかんの原料や、かるかん饅頭との違いについて紹介します。
かるかんは何でできてる?
かるかんは、鹿児島県をはじめとする九州・沖縄地方で食されている銘菓で、山芋(自然薯)の風味豊かな味わいと、もっちりとした食感が特徴です。
「軽羹」がこの世に生まれたのは、今から遡ること三百年前。時は元禄、島津家二十代綱貴の五十歳の祝いの席に用いられたのが、最も古い記録となっています。(引用元:御菓子司 明石屋WEBサイト 軽羹百話)
かるかんの最古の記録は元禄12年(1699年)のものなので、江戸時代初期には、かるかんが食べられていたということが分かります。ただし、当時のかるかんが何でできてるかについては記録が残っておりません。
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現在のかるかんの原料は、かるかん粉、山芋、砂糖、水を使います。かるかん粉とは、うるち米を挽いたかるかん専用の米粉です。かるかんに使う山芋は、一般的な料理に使用する長芋ではなく、自然界に自生している「自然薯(じねんじょ)」を使うことが多いです。
自然薯の皮を剥いてすりおろしたものに、水と砂糖を加えて均一に混ぜ合わせてから、かるかん粉を加えて生地を作ります。出来上がった生地を蒸して、真っ白なスポンジ状に仕上げたのが鹿児島名物のかるかんです。
「かるかん(軽羹)」の名前の由来については諸説ありますが、一説によると「軽い羹(羊羹)」という意味からきていると言われています。かるかんは、羊羹ように長四角型の和菓子で、それを食べやすい大きさに切り分けていただきます。
「かるかん」と「かるかん饅頭」の違い
かるかん饅頭とは、かるかんの生地で小豆餡を包んで丸く形を整えたものを蒸し上げた饅頭です。発祥の時期は、かるかん饅頭よりもかるかんの方が早いですが、現在は、かるかん饅頭の方がより一般的に食されています。
かるかんの最古の記録は元禄12年(1699年)ですが、そこからおよそ150年後の弘化3年(1846年)に、薩摩藩主の島津斉彬が「軽羹饅頭(かるかんまんじゅう)」を召し上がったという記録が残っています。
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なかには餡無しのかるかん饅頭もありますが、かるかんとかるかん饅頭の主な違いは、餡の有無と形の違いです。四角い形のかるかんと、小豆餡が入った丸い形のかるかん饅頭という違いになります。
また、かるかんは、水を全体の40%ほど混ぜてから生地に空気を多く含ませてスポンジ状に蒸し上げますが、かるかん饅頭の生地は、水を混ぜる量を少なめにして、弾力のあるやや硬い生地に仕上げてから蒸し上げます。
かるかん
かるかん饅頭(餡入り)
かるかん饅頭(餡無し)
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