和歌山県の特産品と言えば、みかんが真っ先に思い浮かぶかと思いますが、実はみかんよりも梅の方が全国の生産量の割合が多いことをご存じでしょうか。農林水産省近畿農政局の調べによると、2024年に和歌山県で収穫された梅の量は2万9700トンで、全国の収穫量の半分以上を占めていて、なんと60年間連続で日本一になっています。本記事では、和歌山県で梅干しが有名な理由と、紀州南高梅肉を麺に練り込んだご当地グルメ「梅うどん」を紹介します。
和歌山県で梅干しが有名な理由
和歌山県で梅の栽培が盛んな場所は、みなべ町や田辺市などを含む、和歌山県中部・南部地域です。この地域は、一年を通して気温差が小さく温暖で、水はけの良い土壌のため、梅の栽培に適した環境になっています。
和歌山県で梅干しが有名な理由は、みなべ・田辺地域で400年以上前から続く「みなべ・田辺の梅システム」という自然の力を最大限に活かした栽培法を確立しているからです。この栽培システムは、世界農業遺産にも認定されています。
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みなべ・田辺地域では、ウバメガシなどの薪炭林の間に位置する山の斜面で梅の木を育てています。こうすることで、薪炭林に生息するニホンミツバチに梅の受粉を手伝ってもらったり、薪炭林を残すことで適度な水の確保と、農地の土砂崩れの防止に役立てています。
和歌山県で栽培されている梅のほとんどが「南高梅(なんこううめ)」という品種で、この梅は自家受粉することができないため、他種の梅を近くに植えて、その花粉を受粉する必要があります。ですが、数百本という梅の木を手作業で受粉作業をするのは困難なため、ニホンミツバチの手助けが重要になります。
南高梅は完熟してから収穫しますが、みなべ・田辺地域では、地面に落下して実が傷付かないように、斜面にネットを張って実を集めるという農法が行われています。
収穫した梅は生産者が白干し(水洗いと塩漬け)と呼ばれる一次加工を済ませてから、加工業者へ渡り梅干しなどの商品になっていきます。
紀州南高梅肉入り「梅うどん」
梅うどんとは、和歌山県の特産品である南高梅を練り込んだピンクの麺が特徴のご当地グルメです。
梅うどんの汁にも梅肉が入っているので、さっぱりとした味わいです。汁は酸っぱくはないのですが、梅の爽やか香りがするので、暑い夏にピッタリの食べ物です。
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温かい汁のかけうどんでは、具材に梅干しや刻みネギ、天かすなどを使い、冷たい汁につけて食べる場合は、具材に梅干しや刻んだネギ、シソ、大根おろしなどを使用します。
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