滋賀県近江八幡市の名物である「赤こんにゃく」は、その名の通り赤い見た目が特徴の郷土料理です。それでは、赤こんにゃくはなぜ赤いのでしょうか。本記事では、赤こんにゃくが赤い理由や、そのまま食べるとどんな味なのかを紹介します。
赤こんにゃくはなぜ赤い?
赤こんにゃくが赤い理由は、「三二酸化鉄(さんにさんかてつ)」という赤い着色料が含まれているからです。三二酸化鉄とは、別名「弁柄(べんがら)」と呼ばれる赤色顔料で、銅山で産出される鉱石を原料としています。科学式で表すと「Fe2O3」で、身近なところで言うと赤サビと同じ物質なので、水道水にも微量に含まれています。
見た目が赤いからと言っても、赤こんにゃくは鉄分で着色しているだけなので、食べ過ぎない限り体に悪いということはありません。通常のこんにゃくにも微量な鉄分が含まれているもので、板こんにゃく(精粉こんにゃく)100g当たりには0.4mgの鉄分が含まれています。それと比べて、赤こんにゃく100g当たりに含まれる鉄分の量は78.0mgです。
<100g当たりの鉄分含有量>
赤こんにゃく・・・78.0mg
板こんにゃく(精粉こんにゃく)・・・0.4mg
(参考資料:文部科学省WEBサイト 日本食品標準成分表2023年)
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近江八幡市でなぜ赤いこんにゃくを好んで食べるようになったのかについては諸説ありますが、一説によると派手好きの織田信長が赤く染めさせたとされています。しかし、赤こんにゃくの起源に関する資料は残っていないため、明確なことは分かっていません。
赤こんにゃくの赤い着色料は、煮ても焼いても色落ちすることがなく、近江八幡地域では、赤こんにゃくに花カツオや醤油、みりんを加えて煮込んだ「赤こんにゃく煮」という郷土料理があります。
赤こんにゃくをそのまま食べるとどんな味?
赤こんにゃくは、赤い見た目から辛いのではと思われがちですが、通常のこんにゃくの味とほぼ同じです。赤こんにゃくに使われている原料は、こんにゃく粉、水酸化カルシウム(こんにゃく用凝固剤)、三二酸化鉄(着色料)だけなので、着色料の三二酸化鉄を除けば、一般的なこんにゃくと同じ原料で作られています。
赤こんにゃくはレバ刺しに似た見た目から、そのまま生で食べることも少なくありません。赤こんにゃくをそのまま食べる場合は、通常のこんにゃくと同様にアク抜きが必要です。
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赤こんにゃくのアク抜きの仕方は、まずは赤こんにゃくを食べる大きさに切ってから、水から湯がき沸騰して約3分ほど湯がきます。
お湯を捨てて粗熱がとれたら、そのまま冷蔵庫で冷やします。冷えた赤こんにゃくをお皿に盛り付けて、醤油や塩、刻みネギ、生姜など、お好みの薬味とともにいただきます。
近江八幡名産 赤こんにゃく(300g×5パック)
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