秋田名物「だまこ鍋」には、「だまこもち」と呼ばれるご飯を団子状にした具材を使用します。本記事では、だまこもちを鍋で煮ても崩れないようにする方法と、だまこもちときりたんぽの違いについて紹介います。
「だまこもち」が崩れないようにする方法
だまこもちとは、秋田名物「だまこ鍋」に入れる具材の1つで、ご飯をすり鉢で程良く潰して団子状にしたものです。
だまこもちの作り方は、炊いたご飯を温かいうちに、すり鉢で潰していくのですが、これが実際やってみると結構な力仕事になります。ご飯の粒感が残る程度まで潰すのポイントです。ご飯をすり鉢で潰していくと、ご飯同士がくっついて崩れにくくなります。その後、ご飯をピンポン玉くらいの大きさに丸めたら、だまこもちの完成です。
出来上がっただまこもちを崩れないようにするためには、「だまこもちをサッと塩水にくぐらせる」または「だまこもちを軽く焼く」の2つの方法があります。
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「だまこもち」を塩水にサッとくぐらせる
だまこもちの原料となる米には、グルテニンとグリアジンという2種類のタンパク質が含まれていて、これに水を加えるとグルテンと呼ばれる網目状の物質になります。そして、グルテンに塩を加えると、網目状の物質が安定して引き締まるので、崩れないだまこもちが出来上がるというわけです。因みに、うどんの原料である小麦粉にもグルテンが含まれているので、うどんの生地に塩を加えてコシの強い麺にするのと原理は同じです。
だまこもちを作る時は、すり鉢で潰したご飯を団子状に丸める際に、手に塩水(水100ccに塩2g)をつけながら行うとご飯が手に付きにくくなります。最後に、丸めただまこもちを塩水にサッとくぐらせると崩れないだまこもちになります。
うどんは茹でてから使用するので、生地に塩を練り込んでも大丈夫ですが、だまこもちはそのまま鍋に入れるので、だまこもちに塩を練り込んでしまうと、塩気が強いだまこ鍋になってしまいます。ですから、だまこもちを作る際には塩を練り込むのではなく、塩水にサッとくぐらせる程度で十分です。
「だまこもち」を軽く焼く
だまこもちは、事前に軽く焼いてから鍋に入れると崩れにくくなります。オーブントースターでだまこもちを10分程度焼くのが目安です。様子を見ながら、だまこもちの表面に少し焼き色がつく程度まで焼いたら、崩れない焼きだまこもちの出来上がります。
ただし、長時間だまこもちを煮込み過ぎると、崩れやすくなる原因になります。だまこもちを焼くと表面が硬くなって崩れにくくなるのですが、一カ所でもヒビが入ると意外と脆く、あっさりと崩れてしまうことがあります。
焼いただまこもちを鍋に使用すると、硬く香ばしい表面と、中のもちもち食感の違いを楽しむことができます。
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「だまこもち」と「きりたんぽ」の違い
だまこもちを入れた鍋料理を「だまこ鍋」と言い、きりたんぽを入れた鍋料理を「きりたんぽ鍋」と言いますが、両者を同じ鍋に入れて食べることもあります。
だまこもちときりたんぽは、どちらも米を原料に作られていますが、それぞれの作り方が違います。だまこもちは、ご飯をすり鉢で程良く潰してから、団子状に丸めたものです。一方、きりたんぽは、ご飯をすり鉢で程良く潰してから、それを串に巻き付けて、炭火で軽く焼いて作ります。
つまり、だまこもちは焼かない団子状のもので、きりたんぽは焼いた棒状のものという違いがあります。ただし、だまこもちを崩れないように焼いたものは、形は違いますが焼いたきりたんぽと似たような味になります。
秋田名物のきりたんぽ鍋については、以前に書いた記事があるので、合わせてご覧ください。
秋田名物「きりたんぽ鍋(だまこ餅入)」(4人前)
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