オムライスの上にカツをのせてソースをかけたご当地グルメ「ボルガライス」。ボルガライスの発祥は何県で、名前の由来は何なのでしょうか?本記事ではボルガライスのルーツと、考案当初のボルガライスと現在のボルガライスの違いについて紹介します。
ボルガライスの発祥は何県?名前の由来は?
結論から言うと、ボルガライスは福井県のご当地グルメですが、ボルガライスの発祥は東京・浅草のひさご通りで1950年頃から1990年頃まで営業していた飲食店「クスノキ屋」で誕生したとされています。
島根県松江市のご当地グルメ「松江カツライス」を研究する松江カツライス研究会の公式ホームページには、「全国のカツライス的なもの」を調べた記事が掲載されており、その中にボルガライス発祥と名前の由来について記されています。
ボルガライスは浅草ひさご通りにあったクスノキ屋(1940か1950年頃創業-1990年頃閉業)でボルガ運河(ヴォルガ-ドン運河)に因んで洋風カツ丼を作れとの号令により創作された料理。(引用元:松江カツライス研究会 ボルガライス完結編)
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浅草の「クスノキ屋」で働いていたシェフが、福井県武生市の飲食店「カフェド伊万里(2022年11月閉店)」に移動した際にボルガライスが福井に伝わったとされています。
名前の由来となったヴォルガ・ドン運河は、ロシアのボルガ川下流部とドン川を結ぶ運河です。これにより黒海とアゾフ海を経てカスピ海とが繋がるようになりました。ヴォルガ・ドン運河の完成は1952年なので、クスノキ屋の営業時期と重なります。
福井名物「ボルガライス」は店によって千差万別
浅草生まれのボルガライスは、福井で驚くべき進化を遂げます。浅草のクスノキ屋で提供されていたボルガライスは次のような料理でした。
ボルガライスについて 当初金属プレートで提供されていた。自家製ケチャップのケチャップライスに野菜と卵で閉じたカツが乗った料理でカツの乗ったオムライスではない。油は全てラードを使用していた。(引用元:松江カツライス研究会 ボルガライス完結編)
福井のカフェド伊万里に伝わったものは、以上の内容と似たボルガライスでしたが、現在の福井県内で提供されているボルガライスは店によって千差万別です。そもそも、浅草で考案されたボルガライスはオムライスではなかったので、オムライスの上にカツをのせてソースをかけた福井のボルガライスとは違います。
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福井のボルガライスは、オムライスの中身が店舗によってチャーハンだったり、バターライスだったり、カツにかけるソースもドミグラスソースだったり、トマトソースだったりと様々です。福井では、中華風あんかけのボルガライスが提供されている中華料理店もあります。
ボルガライスに限らず、全国には発祥が明確に分かっていないご当地グルメが数多くあり、そのような料理ほど自由な発想で進化していく傾向があります。現在の浅草ではボルガライスが広まっておらず、福井で広く認知されたことからも、ボルガライスが福井県のご当地グルメであることは紛れもない事実です。福井のボルガライスを推進する日本ボルガラー協会の公式ホームページには、福井県内でボルガライスを提供する店舗情報が紹介されています。気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。(日本ボルガラー協会 ボルガライス店舗紹介)
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