富山の「昆布パン」なぜ富山県で昆布の消費量が多いのか?

富山県は昆布の消費量が全国1位ということもあって、「昆布パン」というご当地パンが親しまれています。それでは、なぜ富山県で昆布の消費量が多いのでしょうか。本記事では、富山名物の昆布パンや昆布好きな県民性について紹介します。

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富山名物「昆布パン」とは?

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昆布パンとは、富山県射水市にある昭和26年創業のパン製造会社「さわや食品株式会社」が手掛けるご当地パンです。

昆布パンは、その名の通り昆布を練り合わせたパン生地を焼き上げた惣菜パンで、小麦粉の香りと昆布の旨味が特徴の人気商品です。

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20年ほど前の販売当初は、パンに昆布を入れるという斬新な発想ため、今ほど受け入れられなかったようですが、昆布パンを三角形の食べやすい大きさに改良してから多くの人々に浸透し、今や富山県民のソウルフードとして定着しています。

富山県民は、一世帯あたりの昆布の年間支出金額が全国1位(総務省統計局 家計調査年報調べ)で、昆布の消費量は全国の3倍です。昆布好きという県民性も昆布パンが受け入れられた要因の1つになっています。

富山県はなぜ昆布の消費量が多いのか?

富山県は昆布の消費量が全国1位ですが、富山県で食べられている昆布のほとんどは北海道産の羅臼昆布です。当然ですが、人気商品の昆布パンも北海道産の昆布が使われています。

日本海に面する富山県では水産業が盛んですが、富山湾で昆布は採れません。なぜなら昆布は、宮城県以北の冷たい海水でしか育たないからです。

それでは、なぜ富山県で昆布の消費量が多いのでしょうか。その理由は、明治時代から始まった北海道開拓の時期に、富山県と北海道で繋がりがあったからです。

明治時代、開拓のため北海道へ移住した富山県民の多くが羅臼地方に住み、そこで町の特産品である羅臼昆布を富山にいる親戚などへ送ったことが要因のひとつといわれている。(引用元:農林水産省WEBサイト 富山県 昆布〆

富山県には、昆布パンの他にも、昆布締めや昆布巻き、とろろ昆布のおにぎりなど、昆布を用いた郷土料理が古くから親しまれています。

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北海道産の昆布は、「北前船(きたまえぶね)」で富山県まで運ばれていました。北前船とは、江戸時代中期から明治30年代にかけて、大阪と北海道を瀬戸内海と日本海経由で往復していた海運船です。

現代と比べて陸上の交通が発達していなかった時代に、日本海を航行した北前船は「海の商社」と呼ばれ、日本各地の特産品を売り買いしながら行き来していました。

北海道で採れた昆布は、富山県のみならず、北前船で西日本(大阪や京都など)に運ばれて、日本食の基礎となる、だし文化に繋がったと考えられています。

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