徳島県阿波市土成町(旧:御所村)には、「たらいうどん」と呼ばれるちょっと変わった容器で提供されている郷土料理があります。本記事では、たらいうどんの発祥や特徴について紹介します。
徳島名物「たらいうどん」の特徴
たらいうどんは、徳島県阿波市土成町(旧:御所村)の郷土料理で、その名の通りタライのような器にうどんを入れるのが特徴です。たらいうどんは、木製の丸い容器にうどんをゆで汁ごと入れて、そのうどんを魚で出汁をとったつけ汁につけて食べます。
たらいうどんの起源は、江戸末期、宮川内谷川の周辺で、木こりが作業の合間にうどんを茹でて、川魚から出汁をとったつけ汁で食べたのが始まりとされています。当時は、徳島と香川県堺より流れる宮川内谷川の周辺に、複数の水車粉屋があったため、ここで出来た粉で手打ちうどんが作られていました。
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たらいうどんの伝統的な食べ方は、淡水に生息するハゼの一種である、「ジンゾク(カワヨシノボリの地方名)」という川魚から出汁をとったつけ汁にうどんをつけて食べるのが特徴です。
しかし近年では、ジンゾクの漁獲量の減少などを理由に、ジンゾクから出汁をとる飲食店は少なくなっています。出汁に用いる魚の種類は店舗によって異なりますが、ジンゾクの代わりにイリコダシなどが使われています。
「たらいうどん」は何人前から注文できるの?
たらいうどんを食べたことのない方は、大きなタライの中に大量のうどんが入っていると思われがちなので、「一人で食べ切れるだろうか?」「何人前から注文できるの?」と心配になる方もいらっしゃると思いますが、大抵の飲食店では比較的小さな一人前分の器でも提供しているので大丈夫です。
たらいうどんが入っている器は、厳密に言うとタライではなく、「飯盆(はんぼ)」という容器です。そもそも、タライとは、洗濯や行水をするものなので、食べ物を入れる容器ではないのです。
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「たらいうどん」とは、うどんをたらいのような大きな木製の飯盆に入れ、つけ汁につけて食べる郷土料理。(引用元:阿波市観光協会WEBサイト 阿波市の魅力)
たらいうどんを入れる飯盆とは、主に寿司屋や魚屋などで用いる浅くて広いだ円型の容器のことを言います。飯盆はタライを小さくしたような容器で、寿司屋で酢飯が入っている木製の丸い容器が飯盆だと言えば、分かりやすいのではないでしょうか。
たらいうどんの名前の由来は、1929年(昭和4年)に就任した当時の徳島県知事が阿波市土成町(旧:御所村)を訪れた際に、大きな器に入った手打ちうどんの味を絶賛し「タライのような器に入ったうどん」と言ったことが始まりとされています。
生たらいうどんと生そばのセット
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