くず餅とわらび餅は、どちらも餅にきな粉や黒蜜をかけて食べる和菓子ですが、これらの違いはあるのでしょうか。そもそも、くず餅とわらび餅の原料は何なのでしょうか。本記事は、奈良名物のくず餅とわらび餅の違いについて紹介します。
くず餅とわらび餅の違い
くず餅の原料は何?
くず餅は、「葛(くず)」という植物の根に含まれるデンプンを精製した、葛粉を原料に作られています。葛粉の精製技術は、奈良県の吉野地方の山奥に住んでいた国栖人(くずびと)から伝わったもので、これが葛(くず)の名前の由来になっています。
くず餅は、葛粉に水や砂糖を加えて加熱しながら混ぜ合わせて、冷やして固めた和菓子です。お好みで、きな粉や黒蜜をくず餅にかけて食べます。
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葛はマメ科の多年草で、日本全国に分布する植物です。葛は入手しやすい植物なので、それを原料とするくず餅は、季節を問わず年間を通じて食べられています。くず餅は、全国的に食べられていますが、吉野地方の国栖人(くずびと)による伝承から、奈良県の郷土料理としています。
わらび餅の原料は何?
本来、わらび餅は、その名の通り「蕨(わらび)」の根に含まれているデンプンを精製した、蕨粉を原料に作られています。しかし、蕨は、手に入りにくく、根からとれるデンプンの量も少ないため、蕨粉は貴重品となっています。
50年ほど前からは鹿児島の甘藷(さつまいも)澱粉を使用した物が主となっています。あるいは甘藷澱粉に蕨粉を加えた物が「本蕨入りわらび餅」としてありますし、本蕨100%のわらび餅を出されている老舗のお店もあります。(引用元:前原製粉株式会社 わらび餅とは何ですか?)
以上の内容から、わらび餅は主にサツマイモから精製したデンプン粉を原料にして作られているので、葛粉から作られているくず餅とは、使用する原料が違います。
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ただし、サツマイモと葛粉を混ぜ合わせて作ったわらび餅は、くず餅と原料が近いものになります。中には、100%蕨粉を使用するわらび餅もあり、このようなわらび餅は、色が白や透明ではなく、やや灰色がかっているのが特徴です。その他にも、「蓮根(れんこん)」に含まれるデンプンを精製した、蓮粉(はすこ)を使用したわらび餅もあります。
100%蕨粉を使用したわらび餅を作る場合は、蕨粉を冬に精製して春にわらび餅を販売します。ですから、本来わらび餅は春から夏にかけて食べられる和菓子なのですが、原料にサツマイモのデンプンや葛粉を使用しているものは、季節を問わず一年中食べらえています。
くず餅とわらび餅は、それぞれの原料に違いはありますが作り方はほぼ同じで、各種原料をもとにしたデンプンに水と砂糖を加え、加熱しながら混ぜ合わせた後に、冷やして固めて作ります。
くず餅
わらび餅
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