滋賀県の伝統的な郷土料理である「鮒寿司(ふなずし)」は、独特な香りと味の珍味として知られています。それでは、鮒寿司の臭いを例えるとどんな匂いで、どんな味なのでしょうか?本記事では、鮒寿司の香りと味について紹介します。
鮒寿司の臭いを例えるとどんな匂い?
鮒寿司は、琵琶湖特産の二ゴロブナを塩と炊いた米で乳酸発酵させた日本古来の熟れ鮨(なれずし)です。鮒寿司の臭いを例えるとどんな匂いなのかというと、その匂いは同じ乳酸発酵食品のチーズに似ています。
鮒寿司の独特な臭いは、発酵する過程で微生物が二ゴロブナのタンパク質を分解する際に発生する発酵臭です。この臭いは、二ゴロブナに含まれるタンパク質が、旨み成分であるアミノ酸に変わることによって発生します。チーズの芳醇な香りも、牛乳に含まれるタンパク質が微生物によって分解される際に発生するものです。
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ただし、鮒寿司の臭いは、滋賀県民でも好き嫌いが分かれるほど独特な匂いです。臭い成分の成分量はアラバスター単位(Au)で数値化できます。鮒寿司の臭いの強さをその他の発酵食品と比較した内容は次の通りです。
臭い食べ物ランキング
1位 開缶直後のシュール・ストレンミング 8,070Au
2位 ホンオ・フェ(韓国のエイ料理) 6,230AU
3位 エピキュアチーズ(缶詰チーズ) 1,870Au
4位 キビヤック(海燕の発酵食品) 1,370Au
5位 くさや(焼き立て) 1,267Au
6位 鮒寿司 486Au
7位 納豆 452Au
8位 くさや(焼く前) 447Au
9位 沢庵の古漬け 430Au
10位 中国の臭豆腐 420Au
11位 ニュクマム(魚醤) 390Au
参考資料:小泉武夫著「発酵は力なり 食と人類の知恵」
以上の内容から、鮒寿司の臭いの強さは、納豆よりも強く、焼き立てのくさやよりも弱いことが分かります。焼き立てのくさやの臭いは1,267Auもあるので、鮒寿司の486Auとは比べものにならないくらい強い臭いです。
鮒寿司の臭いは、納豆の452Auよりも少し強い程度です。このように臭いを数値化してみると、鮒寿司はそれほど臭いが強い食べ物ではないことが分かります。上質な鮒寿司は臭いがキツくなくて美味しいです。
鮒寿司はどんな味?
鮒寿司がどんな匂いなのかが分かったところで、肝心の味についても紹介します。鮒寿司はどんな味なのかというと、鮒寿司の味は強い酸味と程良い塩気が特徴です。
鮒寿司の酸味は、同じ乳酸発酵食品のヨーグルトの酸っぱさに似ています。そして、鮒寿司は塩を多く使った保存食なので、食べると塩気が感じられます。
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鮒寿司は、琵琶湖特産の二ゴロブナを塩漬けにして3~4ヶ月ほど寝かした後に、塩漬けした二ゴロブナを取り出して、綺麗に洗ってから本漬けに入ります。本漬けは、二ゴロブナを塩と炊いた米で1年以上漬けて発酵させて鮒寿司が完成します。
長時間かけてじっくりと発酵させた鮒寿司は骨まで柔らかく、ぎっしり詰まった黄色い卵は濃厚なチーズのような味がします。
鮒寿司(子持ち)
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