牛乳を鍋で温めてホットミルクを作る際に、鍋に牛乳が焦げついてしまうことがよくあります。奈良県には、「飛鳥鍋」という牛乳を使った郷土料理があり、この料理も鍋に牛乳が焦げやすいことで知られています。本記事では、鍋に牛乳が焦げる原因と対処法について紹介します。
鍋に牛乳が焦げる原因
鍋に入れた牛乳を加熱して温めると、牛乳の表面に薄い膜ができて、その膜が鍋に焦げつくことがあります。鍋に牛乳が焦げる原因は、牛乳に含まれる脂肪やタンパク質が加熱することによって凝固するためです。
牛乳を40℃以上に温めると、次第に脂肪やタンパク質が凝固し、表面に薄い膜ができていきます。これをラムスデン現象と言い、この現象は豆乳を加熱して作る「ゆば」と同様のものです。
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「ゆば」は、豆乳の表面にできた膜を食べますが、牛乳にできる膜も、脂肪やタンパク質の他に、リン酸三カルシウムなどのミネラル成分が濃縮されているので、できれば牛乳の膜も捨てずに食べた方が望ましいです。
鍋に牛乳が焦げる原因の牛乳の膜を作らない方法は、牛乳を弱めの中火~弱火で加熱し、40℃以下で温めることです。40℃の目安は、いい湯加減のお風呂の温度くらいです。
牛乳をよくかき回しながら温めると膜ができにくくなります。牛乳の膜は、脂肪やタンパク質などの凝固成分でできているので、繰り返し取り除くうちに成分が減少し、膜ができにくくなります。
飛鳥鍋を温める時はどうする?
奈良県には「飛鳥鍋」という郷土料理があり、この料理は鶏肉や野菜を牛乳と白味噌で味付けしただし汁で煮込むのが特徴です。牛乳の代わりに豆乳を使用する「大和鍋」という郷土料理もあります。
飛鳥鍋は鍋で牛乳を煮込んで調理するので、温め続けると鍋の底が焦げてしまうことがよくあります。飛鳥鍋を温める際には、やや弱めの中火~弱火で加熱するのがポイントです。牛乳の入った鍋料理は焦げやすいので、ある程度煮込めたら、弱火にすると良いでしょう。
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飛鳥鍋の汁の表面に膜ができてしまったら、すぐに取り除きましょう。そのままの状態で強火で煮ると、吹きこぼれたり焦げる原因になります。野菜を牛乳で煮込むと、野菜に含まれるミネラル成分によって、牛乳が固まることがありますが、味には問題ありません。
牛乳が焦げついてしまった鍋は、重曹を使って汚れを落とすことができます。汚れの落とし方は、牛乳が焦げた鍋に水と重曹を入れて沸騰させます。お湯を捨ててから焦げついた部分をスポンジで擦って落としていきます。
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