「ようかんパン」とは、その名の通り羊羹とパンを合わせた菓子パンで、北海道のご当地パンとして全国的に知られていますが、その他にも静岡県の「ようかんぱん」、高知県の「羊羹ぱん」、富山県の「ヒスイパン」のように、羊羹を使用した様々な菓子パンが存在します。本記事では、全国の羊羹を使ったパンの発祥や特徴の違いについて紹介します。
ようかんパン(北海道/静岡/高知/富山)の発祥と特徴の違い
羊羹を使ったパンは、昭和30~40年頃に全国各地で作られるようになり、一時期は大手パンメーカーも全国的に販売していましたが定着することはありませんでした。
ところが、近年のご当地グルメブームによって、北海道、静岡、高知、富山などで、地域的に根付いていたようかんパンが、ご当地パンとして再注目されるようになりました。それぞれの地域で羊羹を使ったパンの特徴が全く違い、別々のご当地パンとして認識されています。それでは、それぞれの地域の羊羹を使ったパンの発祥や特徴の違いについて紹介していきます。
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北海道「ようかんパン」
北海道で人気なのは、日糧製パンが手掛ける「ようかんパン」です。日糧製パンのようかんパンは、コッペパンの間にクリームを挟んで、パンの上に液状の羊羹をかけてコーティングしたものが基本です。
日糧製パンでは、その他にも、ねじったパン生地を使用したツイストタイプのようかんパンや、パンの中に白餡と北海道産の金時豆を入れたようかんパンなど、様々な特徴のようかんパンを展開しています。(日糧製パン株式会社WEBサイト)
静岡県「ようかんぱん」
静岡県富士市にある富士製パンでは、1960年(昭和35年)より「ようかんぱん」の製造を開始しています。かつては、静岡県でもいくつかのメーカーで羊羹を使った菓子パンが作られていましたが、現在では富士製パンのみになっています。富士製パンのWEBサイトには、ようかんぱんの特徴について次のようなことが記載されています。
昭和35年に生まれた、その名も「ようかんぱん」は、つぶあんをたっぷり詰めたパンの上にようかんをかけ、中央にバニラクリームをトッピングした不思議なパン。(引用元:富士製パン株式会社WEBサイト)
北海道のようかんパンは、クリームを挟んだコッペパンでしたが、静岡県のようかんぱんは、つぶあんが入ったあんぱんという特徴の違いがあります。
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高知県「羊羹ぱん」
高知県宿毛市にある菱田ベーカリーでは、1965年(昭和40年)頃から「羊羹ぱん」の製造・販売を行っています。菱田ベーカリーWEBサイトには、羊羹ぱんの特徴について次のようなことが記載されています。
こしあんぱんの上に羊羹をコーティングした羊羹ぱん。作り始められたのは、昭和40年代ごろから。(引用元:菱田ベーカリーWEBサイト)
静岡県のようかんぱんは、つぶあんにバニラクリームをトッピングしていましたが、高知県の羊羹ぱんはこしあんを使用するという特徴の違いがあります。高知県の羊羹ぱんは、抹茶や柚子のピール、紫芋、栗の甘露煮など、様々なパリエーションの羊羹ぱんがあります。
富山県「ヒスイパン」
富山県のご当地パン「ヒスイパン」の発祥は、富山県下新川郡朝日町にある清水製パンで1955年(昭和30年)頃に考案されました。清水製パンのWEBサイトでは、ヒスイパンの特徴について次のようなことが記載されています。
65年以上愛される清水製パンの看板商品。あんぱんを翡翠色の羊羹でコーティング。(引用元:清水製パンWEBサイト)
富山県の朝日町には、海岸に宝石の翡翠が打ち上げられる「ヒスイ海岸」という観光スポットがあり、富山県のご当地パンであるヒスイパンも、まさに翡翠を思わせるような光沢のある翡翠色の羊羹でコーティングされています。
北海道「ようかんパン」
高知県「羊羹ぱん」
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