今回は、奈良県の吉野地方に古くから伝わる郷土料理「柿の葉寿司」の食べ方について紹介します。柿の葉寿司の葉っぱは食べれるのか?食べる時に醤油はつけるのか?柿の葉寿司の温め方はどうしたらいいの?など、柿の葉寿司に関する疑問を1つひとつ解説していきます。
柿の葉寿司の葉っぱは食べれる?醤油はつける?
結論から言うと、柿の葉寿司の葉っぱは食べないのが一般的です。柿の葉を剥がして、お召し上がりください。
柿の葉っぱの使用状況は製造元によって異なりますが、大抵は収穫した柿の葉っぱを塩漬けして保存し、使用する際には塩抜きや乾燥を施します。
通常のお寿司は醤油などをつけて食べるのが一般的ですが、柿の葉寿司は柿の葉っぱを剥いて、醤油などをつけずに、そのまま食べます。
柿の葉寿司の基本的な原料は、酢締めされた鯖、酢飯、柿の葉の3つで、塩と酢で味付けされています。製造元によって酢飯に砂糖や出汁を加えていることもあります。柿の葉寿司は、柿の葉っぱの香りや鯖の風味を味わうためにも、醤油をつけずにそのまま食べた方が望ましいです。
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柿の葉寿司はなぜ柿の葉っぱで包んでいるの?
そもそも柿の葉寿司はなぜ柿の葉っぱで包んでいるのでしょうか?その理由は、お寿司の乾燥を防ぎ、少しでも日持ちさせるためです。
江戸時代には、塩で締めた鯖を海から京都へ運びながら売り歩く行商人が多くいました。行商人たちが移動するルートはいくつかあり、これらは「鯖街道」と呼ばれ今も残っています。
柿の葉寿司は、奈良県の吉野地方に古くから伝わる郷土料理で、山間のこの地方では、行商人によって海から運ばれてくる鯖は非常に貴重なものでした。柿の葉っぱで鯖寿司を包むという柿の葉寿司の食べ方は、この貴重な鯖を美味しく、少しでも日持ちさせるために考えられた知恵だったのです。
奈良県は柿が特産物なので、容易に手に入る柿の葉っぱで鯖の寿司を包んだのが柿の葉寿司の始まりとされています。
カキの葉も豊富にポリフェノールを含んでおり、古くから利用されてきました。例えばポリフェノールは強い抗菌性を示しますが、これを活用したものが、柿の葉すしの包み葉です。(引用元:県民情報/奈良県公式ホームページ 「カキの葉」の魅力)
柿の葉っぱに含まれるポリフェノールの一種の「タンニン」という成分には、防腐作用があることが分かっています。このことを当時の人が知っていたかどうかは分かりませんが、柿の葉っぱの使用は保存食にするために適していると言えます。ただし、現在流通している柿の葉寿司の賞味期限は大体3日程度です。(※賞味期限は商品によって異なります。)
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柿の葉寿司の温め方
冬の寒い時期は、柿の葉寿司のシャリが硬くなって味が落ちることがあります。そんな時は、柿の葉寿司をオーブントースターで焼いてから食べると美味しくいただけます。
柿の葉寿司を焼いて食べる「炙り柿の葉寿司」は、柿の葉寿司が誕生した奈良県の吉野地方では昔から行われてきた食べ方です。吉野では、柿の葉っぱで包まれた状態の柿の葉寿司を、七輪などで軽く炙って食べたそうです。
オーブントースターを使った柿の葉寿司の温め方は、オーブントースターに柿の葉っぱで包まれた状態の柿の葉寿司を入れて、柿の葉っぱの端が少し焦げてくるまで焼きます。オーブントースターを230℃に設定して、5分程度焼くのが目安です。
温めた柿の葉寿司は、柿の葉っぱを剥いて食べます。柿の葉っぱに包まれているので、中身が蒸し焼きになってふっくらとしたシャリになります。
奈良県の吉野地方に伝わる郷土料理「柿の葉寿司」
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