大阪式の串カツは、共有のソースに串カツを漬けて食べるという独自のスタイルがあります。そのため、串カツの2度漬け禁止というルールがあるのですが、それでは、2度漬けが禁止されているのはなぜなのでしょうか。
串カツの2度漬け禁止はなぜ?
串カツとは、肉や野菜を串に刺し、衣を付けて油で揚げたものです。串カツは、東京や名古屋など、全国的に食べられている料理ですが、ご当地グルメとして最も有名なのは大阪です。
大阪式の串カツは、薄いウスターソースをベースに醤油やお酢などを混ぜ合わせた、特製ソースに串カツを漬けて食べます。串カツのソースは客席に置かれた共用のステンレス容器に入っていて、多くの店では2度漬け禁止のルールが設けられています。
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それでは、なぜ2度漬け禁止なのでしょうか。2021年に日本串カツ協会が発表した「K2K公式ルール(K=串カツ 2=2度漬け K=禁止)」によると、1度漬けている食べかけの串カツ、汚れた取り皿に置いた串カツを2度漬けすることを禁止しています。つまり、共有ソースの2度漬け禁止の理由は、衛生面を考慮したルールなのです。
「K2K公式ルール」は、共有ソースを使用する大阪の食文化を尊重し、継承していくために主張しています。
2度漬け禁止からソースの2度がけ3度がけOKへ
日本串カツ協会が共有ソースの食文化を尊重し、2度漬け禁止を主張する一方で、串カツの大手企業が、共有ソースに漬ける方法ではなく、ソースをかける方法に変更する傾向があります。
大阪の伝統の味である串カツを、関東圏を中心に外食チェーン店を展開する「串カツ田中」では、2020年から全店舗でソースをかけるスタイルに変更しています。ただし、従来のソースを漬けるスタイルを希望する方には、ソースディスペンサーと空き容器を提供し、お好みのスタイルを選べるようになっています。(参考資料:串カツ田中公式サイト ソース提供方法を変更します!)
ソースの2度漬け禁止の発祥の店である「元祖串かつ だるま なんば本店」でさえも、ソースディスペンサーでかけるスタイルに変更しています。
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ソースを串カツにかけるスタイルに変更したことにより、共有ソースの2度漬け禁止から、ソースの2度がけ3度がけができるようになりました。何度もソースが使える一方で、古き良き大阪の食文化が失われていく寂しさも感じられるので、願わくば、共有ソースに漬けるスタイルと、個別にソースをかけるスタイルのいずれかを選べる環境が望ましく思えます。
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