焼き芋を模して作られた北海道のご当地スイーツ「わかさいも」。しかし、その中身は芋じゃないことを皆さんはご存じでしょうか。実は、わかさいもには芋ではない北海道産の2つの原料が使われているのです。
わかさいもは芋じゃない!中身の原料は?
わかさいもとは、北海道虻田郡洞爺湖町の菓子製造メーカー「わかさいも本舗」が手掛けるご当地スイーツです。わかさいもは商品名に「いも」とあるように、見た目が焼き芋そっくりなのですが、実はわかさいもの原料は芋じゃないのです。
私たちの創業者・若狭函寿が洞爺湖温泉の名物を作ろうと考えたときの最初のおもいは「サツマイモのとれない土地で、焼きいもを作りたい」でした。(引用元:わかさいも本舗公式サイト)
わかさいもの中身はサツマイモではなく、大福豆という白い豆でできています。大福豆は、北海道を中心に生産されているインゲン豆の一種で、和菓子の高級白餡に原料となる食材です。大福豆を茹で上がると乳白色になり、焼き芋のようなホクホクとした食感になります。
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わかさいもの白餡の中には、北海道産のきざみ昆布が混ぜられています。きざみ昆布を混ぜ込むことで、焼き芋の繊維を再現しています。わかさいもを割って中身を見てみると、繊維を模したきざみ昆布が飛び出して、まるで焼き芋のような見た目になります。
さらに、焼き芋の皮を再現するために、白餡の表面に卵醤油を塗って、手作業で丁寧に焼き上げています。わかさいもの「わかさ」とは、わかさいも本舗創業者の苗字の若狭(わかさ)を商品名の一部に使用しています。
北海道でサツマイモ栽培が不向きな理由とは?
北海道で「芋」と言えば、サツマイモではなくジャガイモを指すことが多いです。わかさいもの発祥が、「サツマイモのとれない土地で、焼きいもを作りたい」という思いから考案されたように、北海道はサツマイモ栽培が不向きな土地です。
サツマイモは中南米原産の植物なので寒さに弱いという欠点があります。サツマイモの生育適温は次の通りです。
一般には、最高温月の平均気温が22℃以上、あるいは年平均気温10℃以上のところで、生育期間の積算温度が3000℃以上が適地といわれています。(引用元:日本いも類研究会)
生育期間の積算温度とは、苗の植え付けから収穫までの期間にわたる毎日の平均気温を合計したものです。サツマイモは寒さに弱いので、東北の宮城、福島、北陸の新潟以南、長野県、群馬県の標高700m以下の地域じゃないと、経済的に栽培することは困難です。
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ただし、近年の品種改良や栽培技術の向上により、北海道でも道央、道南地域ではサツマイモを栽培していることもあります。その場合は、5月上旬植え、9~10月収穫の限られた時期だけです。
わかさいもが初めて販売されたのは、1930年(昭和5年)のことなので、なおさら焼き芋を模して作られたお菓子が北海道では珍しかったはずです。今ではわかさいもの他にも「北海道あんぽてと」や「わかさいも本舗のおいしいまんじゅう」など様々な商品が展開されています。お店では、わかさいもを天ぷらにして揚げた「いもてん」も販売されているので、現地に行く機会のある方は、揚げ立てで熱々のいもてんを食べてみてはいかがでしょうか。
わかさいも
北海道あんぽてと
わかさいも本舗のおいしいまんじゅう
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