久留米ラーメンの影響を受けながらも、山口県宇部市で独自の進化を遂げた「宇部ラーメン」。宇部ラーメンは、強い豚骨臭のある濃厚スープと柔らかい麺の組み合わせが後を引く美味しさです。本記事では、宇部ラーメンの発祥と特徴について紹介します。
宇部ラーメンの発祥
宇部ラーメンの発祥は、山口県宇部市にあるラーメン店「大阪屋」の初代店主が考案したご当地ラーメンです。
宇部市の活性化を図るボランティア団体「くさうま宣隊宇部ラーメンジャー」と「宇部未来会議」が運営する宇部ラーメン公式サイトでは、宇部ラーメンの発祥について次のようなことが記載されています。
繁盛していたが、商才のあった初代は、食堂としての未来に不安を抱き、当時、炭鉱やゴム産業で賑わっていた久留米へラーメン作りの修業に行った。(引用元:宇部ラーメン公式サイト ガラパゴス化した宇部ラーメンの歴史)
以上のことから、宇部ラーメンは久留米ラーメンの影響を受けて生み出されたご当地ラーメンということが分かります。
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山口県は本州の最西端に位置することから、九州の食文化の影響が見られる地域です。山口県の東部は醤油ラーメンが主流ですが、九州に近い山口県の西部は博多ラーメン系の白濁した豚骨ラーメンが食べられています。
宇部市も山口県の西部に位置するので、豚骨ラーメンが主流なのですが、宇部ラーメンは、博多ラーメン系の白濁した豚骨ラーメンではなく、久留米ラーメン系の茶濁した豚骨ラーメンです。それでは、宇部ラーメンの特徴について紹介していきます。
宇部ラーメンの特徴
宇部市の活性化を図るボランティア団体「くさうま宣隊宇部ラーメンジャー」では、宇部ラーメンの3つの特徴を定義しています。
■宇部ラーメン3か条
1. 茶濁濃豚骨である
2. 強い豚骨臭がする
3. 中太の柔らかい麺を使用
(引用元:宇部ラーメン公式サイト 「宇部ラーメン」とは、宇部市を中心とした濃豚骨ラーメンです!)
宇部ラーメンの豚骨スープが茶濁しているのは、久留米ラーメンの影響によるものです。博多ラーメンは、仕込んだスープを日々使い切る「取りきり」と呼ばれる作り方をしますが、久留米ラーメンのスープは、減った分を継ぎ足しながら煮込む「呼び戻し」という作り方をします。
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本来、豚骨スープは白濁したものですが、豚骨スープを継ぎ足しながら作ると、茶濁して濃厚なスープになります。この製法を受け継いだ宇部ラーメンも、茶濁した豚骨スープで強い豚骨臭がするのが特徴です。
宇部ラーメンには、中太の柔らかいストレート麺を使用します。濃厚な豚骨スープと柔らかい中太麺の組み合わせこそが、宇部ラーメンの最大の特徴になります。ちなみに久留米ラーメンは中細ストレート麺を使用するので、宇部ラーメンの麺とは違います。宇部ラーメンの具材は。ネギ、チャーシュー、メンマ、紅しょうがなどを使用します。
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