岡山県の名物と言えば、桃太郎でお馴染みの「きびだんご」ですが、そもそもきびだんごの「きび」とは何なのでしょうか?そして、きびだんごとは何味なのでしょうか?本記事では、伝統を守りながら様々な味に展開されてきた、岡山名物きびだんごの歴史について紹介します。
きびだんごの「きび」とは
「黍(きび)」は最も古い栽培植物の1つで、ヨーロッパ、インド、中央アジア、中国など、広範囲に栽培されていました。日本には、弥生時代に中国から持ち込まれたと言われています。
弥生時代後期に、現在の岡山県から広島県にかけての広大な土地を治めた「吉備国(きびのくに)」という大国がありました。そこでは、「黍(きび)」の生産が盛んで、蒸した黍を丸めた「きびだんご」が日常的に食べられていたそうです。
その後、江戸時代末期に吉備津彦命を祭った吉備津神社の境内の茶店で、参拝者にきびだんごを振る舞ったことが、現在の岡山県名物きびだんごの起源となっています。
現在の岡山県でも黍を生産していますが、今では岩手県や沖縄県、長野県などが黍の生産量の多い産地になっています。
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岡山名物きびだんごは何味?
きびだんごは、昔は100%の黍を蒸して作っただんごに、汁やあんをかけて食べていましたが、現在の岡山県名物きびだんごの多くは、実は黍は風味付け程度で、主な原料はもち米になっています。
岡山県名物きびだんごと言っても、歴史が非常に長いので、様々な味のきびだんごがありますが、基本的な原料はもち米に砂糖と水飴を混ぜて、そこに黍を風味付けに加えたものが一般的です。
そもそも黍とは何味なのかと言うと、きびだんごに使用される「もちきび」と呼ばれる種類は、もち米のようなモチモチした食感があり、少し香ばしい味がするのが特徴です。もち米に黍を混ぜると、少し黄色味を帯びた見た目になります。
岡山名物きびだんごは様々な味が楽しめる
6種類の味が楽しめるきびだんごセット
こちらの商品は、廣榮堂の「元祖きびだんご」をはじめに、白桃、抹茶、黒糖、海塩、きなこの全6種類の味が楽しめるきびだんごセットです。
廣榮堂は、黍粉を蒸して作らた昔のきびだんこから、黍の代わりにもち米を使用して砂糖と水飴を混ぜた現在のきびだんごの開発に携わった老舗きびだんご本舗です。主な原料はもち米ですが、風味付けに黍を加えています。
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マスカットきびだんご
こちらの商品は、独自の製法で加工したマスカットの果蜜をきびだんこに入れた、敷島堂の「マスカットきびだんご」です。
岡山県はマスカットの産地として有名で、マスカットの全国生産量の9割を占めています。マスカット味のきびだんごは、他社にもいろいろあるのですが、最初に考案した元祖は敷島堂のマスカットきびだんごです。マスカットのさわやかな酸味と、きびだんごのほのかな甘みが合わさって、とても美味しいです。
チョコきびだんご
こちらの商品は、創業明治14年の老舗きびだんご本舗の山脇山月堂が手掛けた「チョコきびだんご」です。山脇山月堂は伝統の味を守りながらも、斬新なきびだんごを発案し、創業以来様々な賞を受賞しています。
チョコきびだんごは、チョコを練り込んだ団子生地で、さらにチョコレートを包んだ、Wチョコのきびだんごです。
黍粉100%を使用したきびだんご
こちらの商品は、中山昇陽堂が手掛ける黍粉100%を使用した昔ながらのきびだんごです。
岡山名物きびだんごは160年以上の歴史があり、その間、消費者のニーズに応じて、様々な味のきびだんごが開発されてきましたが、昔食べられていた100%の黍を蒸して作ったきびだんごは、どんな味なのかが気になる方は是非お試しください。
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