埼玉県と愛知県には、どちらも「いがまんじゅう」という郷土料理があります。本記事では、埼玉県のいがまんじゅうの発祥の地とされる鴻巣市のいがまんじゅうと、愛知県でいがまんじゅうが食べられている地域の中央部に位置する岡崎市のいがまんじゅうの特徴の違いについて紹介します。
埼玉県鴻巣市の「いがまんじゅう」と愛知県岡崎市の「いがまんじゅう」の違い
埼玉県の「いがまんじゅう」の特徴
いがまんじゅうは、埼玉県北部の穀倉地帯に古くから伝わる郷土料理で、いがまんじゅうの発祥の地は鴻巣市(旧川里町)とされています。埼玉県北部の鴻巣市、羽生市、加須市、行田市などでは、裏作として小麦を栽培する農家が多く、饅頭やうどんなどの小麦粉を使った料理が食べられてきました。
埼玉県のいがまんじゅうは、小麦粉の生地に餡子を入れて蒸した饅頭を、餅米と小豆で作った赤飯で覆った食べ物です。饅頭全体を赤飯で覆うこともあれば、饅頭の上部に赤飯をのせたものもあります。
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いがまんじゅうの味は、田舎饅頭の甘じょっぱさと、赤飯のもっちりとした食感が特徴です。いがまんじゅうは、季節のお祭りやお祝い事などで食べられてきました。現在もハレの日の縁起物としてや、古くから地域に伝わる郷土料理として親しまれています。
愛知県の「いがまんじゅう」の特徴
愛知県の中央部を縦断する形で位置する西三河地域では、桃の節句(ひな祭り)にいがまんじゅうを食べる風習があります。ひな祭りで食べる菱餅と同様に、いがまんじゅうをお雛様にお供えした後に、3月3日の雛祭りで食べます。
愛知県のいがまんじゅうは、餡子を米粉の生地で包んだ饅頭の上部に、着色したもち米をつけるのが特徴です。
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埼玉県鴻巣市のいがまんじゅうは小麦粉の生地の饅頭で、愛知県岡崎市のいがまんじゅうは米粉の生地の饅頭という違いがあります。
西三河地域の中心に位置する岡崎市で食べられているいがまんじゅうの上部は、ピンク、黄色、緑の餅米がついています。ピンクは桃の花(または魔除け)、黄色は菜の花(または豊作祈願)、緑は新芽(または生命力)を意味するという説があります。このように、着色した餅米をつけることも愛知県と埼玉県のいがまんじゅうの特徴の違いです。
愛知県以外でも、京都府や九州地方でも同様のいがまんじゅうが食べられています。
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