出雲ぜんざい発祥の地がなぜ出雲大社なのか?

出雲ぜんざい発祥の地は、島根県出雲市にある出雲大社とされています。それでは、なぜ出雲ぜんざいは出雲大社で生まれたのでしょうか。本記事では、出雲ぜんざいの歴史について紹介します。

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出雲ぜんざいはいつから食べられているの?

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出雲ぜんざいは、その名の通り現在の島根県出雲市にある出雲大社が発祥の地とされています。江戸時代初期の文献「祇園物語(ぎおんものがたり)」に、出雲ぜんざいの元になった「神在餅(じんざいもち)」についての記述が残っていることから、それ以前から食べられていたことが分かります。その他にも「梅村載筆(ばいそんさいひつ)」「雲陽誌(うんようし)」「嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)」などの江戸時代の文献にも神在餅の記述が見られます。

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出雲ぜんざい発祥の地がなぜ出雲大社なのかについても「祇園物語」に書かれています。もともと「祇園物語」は、人々の暮らしについて書かれた書物ではなく、儒教思想が書かれた「清水物語」という書物の内容を、「祇園物語」の著者が仏者の立場から反論した書物なので、江戸時代後期の「嬉遊笑覧」の方が当時の人々の暮らしや習慣について詳しく書かれています。

ここでは、「祇園物語」から抜粋した文章を元に、当時の出雲ぜんざいは、どのような食べ物だったのかを解説していきます。(本記事の筆者と当サイト監修者は学芸員資格を保有しています。)

出雲ぜんざい発祥の地がなぜ出雲大社なのか?

出雲ぜんざい発祥の地がなぜ出雲大社なのかについては、「祇園物語」に記述が残されています。「祇園物語」の文章を抜粋し、簡単な言葉で訳しながら分かりやすく解説していきます。

出雲國に神在もちいと申事あり。京にてぜんざいもちいと申ハ。これを申あやまるにや。(祇園物語より抜粋)

<訳>
出雲国には、「神在餅(じんざいもち)」と言うものがあり、京都で「善哉餅(ぜんざいもち)」と呼ばれているが、これは誤りではないだろうか。

出雲国の「神在餅(じんざいもち)」が訛って伝わったことで、京都では「善哉餅(ぜんざいもち)」と呼ばれるようになったと言われています。

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10月にハ日本國の諸神ミな出雲國にあつまり玉ふゆへに。神在と申なり。その祭に赤豆をにて汁をおほくし。すこし餅を入まいらせ節々まつり候を。神在もちい申よし。(祇園物語より抜粋)

<訳>
旧暦10月には、日本中の神々が出雲国に集まるので、この時期を出雲国では「神在(かみあり)」と言います。その祭りの時に、赤小豆を煮て、汁を多く入れ、餅を少し入れたものを祀ることから、この食べ物は「神在餅(じんざいもち)」と言われるようになりました。

神在餅とは、今で言う出雲ぜんざいのことです。つまり、出雲ぜんざいは、旧暦10月に出雲国に集まる日本中の神々を祀るための食べ物なので、出雲大社が発祥の地になったわけです。

全国の神々が出雲に集まる旧暦10月11日から17日(現在は11月18日から24日までの1週間)は「神在祭(かみありさい)」が行われ、その際に振る舞われるのが「神在餅(じんざいもち)」です。現在では出雲ぜんざいとして、神在祭以外でも出雲大社周辺の飲食店で楽しめる郷土料理になっています。

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