茨城県の水戸納豆と言えば、小粒の粒納豆(正式名称:糸引き納豆)ですが、納豆の種類は大きく分けて「ひきわり納豆」と「粒納豆」があります。それでは、ひきわり納豆と一般的に食べられている粒納豆の違いは何なのでしょうか。そして、納豆の種類によって栄養価の違いがあるのでしょうか。
ひきわり納豆と粒納豆の違い
結論から言うと、ひきわり納豆と粒納豆の違いは、原料となる大豆の皮が有るか無いかの違いです。ひきわり納豆には大豆の皮が無く、粒納豆には大豆の皮が有ります。
それでは、大豆の皮の有無で、それぞれの納豆がどのように異なるのか詳しく解説していきます。多くの人がひきわり納豆は粒納豆を細かく砕いたものと思われがちですが、実はそうではありません。
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粒納豆の製造方法は、初めに大豆を洗浄してから、水に浸して大豆に水分を含ませます。水分を含んだ大豆が約2倍の大きさに膨れ上がったら、圧力釜で大豆を蒸し上げてから納豆菌をかけてパック詰めにします。
それを納豆菌が最も活発になる40℃前後の温度で約12時間かけて発酵させます。その後、5~10℃程度で一晩ねかせて熟成したら粒納豆が出来上がります。
一方、ひきわり納豆の製造方法は、最初の洗浄を行う前に大豆を細かく砕いて皮を取り除いた後に、粒納豆と同じ製造工程を行います。つまり、ひきわり納豆は粒納豆を細かく砕いたのではなく、発酵前に大豆を砕いて皮を取り除くわけです。ひきわり納豆と粒納豆の製造工程の違いにより、それぞれの栄養価も異なります。
ひきわり納豆と粒納豆は栄養価が高いのはどっち?
結論から言うと、ひきわり納豆には、ビタミンEとビタミンKなどのビタミン成分が比較的多く含まれ、粒納豆には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が比較的多く含まれます。
また、納豆は粒が細かいほど表面積が大きくなるので、粒納豆よりもひきわり納豆の方が多くの納豆菌が付着し、旨味成分であるグルタミン酸の生成が増える傾向があります。
主なビタミン成分の比較(100gあたりの含有量)
<ビタミンE>
ひきわり納豆・・・15.5mg
粒納豆・・・9.9mg
<ビタミンK>
ひきわり納豆・・・930µg
粒納豆・・・870µg
(参考資料:文部科学省 日本食品標準成分表2023年調べ)
以上の数値から、粒納豆よりもひきわり納豆の方が、ビタミンEとビタミンKの含有量が多いことが分かります。
ひきわり納豆と粒納豆には、ビタミンCとビタミンDがほとんど含まれていません。また、両者のビタミンAとビタミンBの含有量に大きな差は見られません。
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主なミネラル成分の比較(100gあたりの含有量)
<カルシウム>
ひきわり納豆・・・59mg
粒納豆・・・91mg
<マグネシウム>
ひきわり納豆・・・88mg
粒納豆・・・100mg
<リン>
ひきわり納豆・・・250mg
粒納豆・・・220mg
<鉄>
ひきわり納豆・・・2.6mg
粒納豆・・・3.3mg
<亜鉛>
ひきわり納豆・・・1.3mg
粒納豆・・・1.9mg
(参考資料:文部科学省 日本食品標準成分表2023年調べ)
以上の数値から、リン以外のミネラル成分の含有量は、ひきわり納豆よりも粒納豆の方が多いことが分かります。
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